毎年十五夜を迎える頃になると、
「ああ、今年も秋が来るなあ…」
なんて、少しセンチメンタルな気分になりますよね。
十五夜、別名を「中秋の名月」。旧暦の8月15日に当たります。
旧暦では7月・8月・9月が秋ですからど真ん中にあるその日を日本では「中秋」と呼び、宴席などをもうけて美しい月を愛でてきました。
現代の暦に直すと十五夜の日付けは毎年変わります。
2018年は9月24日、
2019年は9月13日、
2020年は10月1日です。
ちなみにこの風習は、中国から伝わったもの。中国では中秋ではなく「望月」と呼ばれ、
お団子ではなく月餠を供えます。
だから、月餠っていうんですね。
そもそも何故十五夜にお供えするのが団子なのか?意味があってのことなの?
じゃあどうして、日本ではお団子を供えるようになったのでしょうか。
もともとは貴族だけの宴会行事であった十五夜は、江戸時代になると庶民にも広がっていきます。
この時期は、農村ではまさに農作物の収穫時期。十五夜は、農民にとって収穫祭の意味を持つようになりました。
稲穂によく似たススキの穂を飾り、今年獲れた米の粉で満月のように丸いお団子を作って月の神様に捧げたのです。
今年の収穫に感謝し、来年の豊作を祈願して。
実は地方によってかなり違う!十五夜用お供え団子のあれこれ
十五夜のお団子というと、丸いお団子が十五個うず高く積み上げられたあの姿がお馴染みですよね。
でもこのお月見団子、地方によって大きな違いがあるのをご存じでしたか?
よく目にする白くてまん丸いお団子は、関東風なんです。
関西のお月見団子は、まん丸ではなく楕円形。一つ一つに、こんもりとこし餡が乗っています。
中国・四国地方は、丸いお団子を三つずつ串に刺した串団子。あん団子、みたらし団子、きなこ団子と味の種類も豊富です。飽きずに楽しめそうですね。
青森県・岩手県の一部では、そもそもお団子ではなく、こし餡入りのおまんじゅうを供えます。
静岡県では、丸めたお団子の真ん中を指で押して潰したようなお皿型。
穴の空いていない円座にも似ています。
「へそ餠」と呼ばれているそうですよ。
とりわけ珍しいのは、沖縄県。
餅粉をこねて蒸し、茹で小豆を粒のまままぶしつけた
「ふちゃぎ」(ふちゃぎむーちー)という沖縄菓子を供えます。
本来は砂糖を加えない素材のままの味なのですが、最近は砂糖を入れて食べやすくした物も売られています。
まとめ
日本の歴史とともに歩んできた伝統、十五夜。
祖父母から親へ。親から子へ。千年もの長い間、途切れることなく続いてきました。
白玉粉やだんご粉を水で練ってたっぷりの沸騰したお湯で茹でるだけ、
子供やお年寄りでも簡単にお団子は作れます。
今年はぜひ家族でお団子を作って、澄んだ秋の夜空に浮かぶきれいな月を眺めてみませんか。
いつも食卓でいただくお米やお野菜へ、ありがとうの気持ちを捧げながら。